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「宮森の子 平和の使徒に」 海勢頭さん、事故題材に新曲 沖縄


「宮森の子 平和の使徒に」 海勢頭さん、事故題材に新曲 沖縄 慰霊祭で新曲「630の誓い」を披露する海勢頭豊さん=30日、宮森小学校(小川昌宏撮影)
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 うるま市出身で平和音楽家の海勢頭豊さん(80)が宮森小米軍ジェット機墜落事故にちなんだ歌を制作した。その名も「630の誓い」。30日の慰霊祭で初めて披露されたこの曲は、会場に響き渡り、参列者の心に染み入った。

 「宮森の子は永久に 平和の使徒になる」

 曲中に何度も登場するこの歌詞を、海勢頭さんは最初から入れようと決めていたという。それは「石川は戦後いち早く沖縄文化が復興したが、悲劇が起きた場所。子どもたちは事故を学び、平和のために伝えてきた。そのエネルギーを悲観することなく、受け継いでほしい」との思いからだ。海勢頭さんは子どもたちへの願いを「使徒」という言葉に託した。

 海勢頭さんの生まれは平安座島だが、宮森小の近くに親戚が営む鮮魚店があり、頻繁に行き来していた。事故で燃えたフクギを見た時「戦争は終わったが、平和は実現していない」と感じたという。真の平和を実現するために、海勢頭さんは、この日も歌に自身の思いを乗せた。

(玉城文)