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「つらい思い二度と」 児童、対馬丸の悲劇学ぶ 体験者の声に決意 那覇・沖縄


「つらい思い二度と」 児童、対馬丸の悲劇学ぶ 体験者の声に決意 那覇・沖縄 学芸員の話を聞いて事件について学ぶ児童ら=6日、那覇市若狭の対馬丸記念館
この記事を書いた人 Avatar photo 外間 愛也

 太平洋戦争中の1944年8月22日、疎開する児童らを乗せ米潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没した対馬丸の悲劇を学ぶ「第3回対馬丸平和継承プログラム」の事前研修が6日、那覇市若狭の対馬丸記念館であった。対馬丸記念会主催。県内の小学生ら15人が同会代表理事の高良政勝さんの話を聞き、記念館を見学するなどして平和について考えた。

 同プログラムでは8月13~15日、対馬丸事件の生存者や犠牲者が流れ着いた奄美大島を訪れ、当時を知る関係者らから話を聞き、宇検村にある対馬丸慰霊碑を訪問する。

 高良さんは両親ときょうだい9人の11人で対馬丸に乗り、姉と2人だけが生き残った。漂流中は1人と思っていたが、後に父に背中から抱きかかえられていたと知った。「父は救助に来た船員に私を渡した後、力尽き海に沈んだ。記念会の代表を務めるのは私の運命」と涙ながらに語った。

 那覇小学校6年の池宮城陽道さんは、祖母から親戚が対馬丸事件で亡くなったと聞いて事件のことを調べ始め、プログラムへの参加を決めた。「高良さんが涙ぐむ姿を見て、こんなにつらい思いをする人を二度と出してはいけないと感じた」と感想を述べた。

(外間愛也)