【中部】第4次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団、沖縄平和運動センター、中部地区労働組合協議会の3団体は9日、北谷町砂辺の米軍嘉手納基地第1ゲート前で「米兵による少女誘拐暴行事件に抗議する緊急集会」を開催した。事件が相次ぎ、機能も強化されていく嘉手納基地の状況に「負担軽減」や「基地撤去」も強く求めた。約250人(主催者発表)が集まった。事件への抗議決議も採択した。
抗議決議では、相次ぐ米兵による性的暴行事件に「県民全体を怒りと恐怖に陥れた」とした。事件の情報共有が遅れたことに「政治的忖度(そんたく)が働いたのではとの疑念がつきまとう」と指摘。被害者への謝罪、事件・事故防止のための協力ワーキングチームの再開などを求めた。
第4次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団の新川秀清団長は「沖縄戦から79年がたっても、いまだに米軍に踏みつぶされている」と憤った。「米軍基地を撤去しないと生き残れない。平和な沖縄もつくれない」と訴えた。
中部地区労働組合協議会の大城孝之事務局長は「悲しみと悔しさと怒りを持って強く抗議する」と述べた。戦闘機による騒音や繰り返される嘉手納基地でのパラシュート降下訓練にも抗議を示し「穏やかな生活、平和のために抗議と反対の声を上げていこう」と呼び掛けた。
参加者らは基地に向かって「女性の人権を蹂躙(じゅうりん)する事件を許すな」「沖縄に米軍基地はいらない」とシュプレヒコールを上げた。
時折、激しい雨が降る中、「政府の人権軽視許さない」や「アメリカは約束違反」などと書かれたプラカードを掲げて、参加者らは発言者の声に耳を傾けた。
小川碧水さん(30)=東京都=は「現地の熱を感じ、声を聞こう」との思いで参加し「生活が脅かされている」と沖縄の現状を知った。演劇チームに所属し「国防」をテーマにした公演を控える小川さんは「生活と結びつけて、自分事になるきっかけにしたい」と伝えたい思いを話した。
(金盛文香)