沖縄県内に活動拠点を置くヤミ金グループが交流サイト(SNS)で客を募り現金を貸し付けて、法定金利を超える不法な利息を得ていたとされる事件で、出資法違反や貸金業法違反の罪に問われた無職の被告(27)=沖縄市、塗装工の被告(35)=宜野湾市=らグループメンバー5人の初公判が9日、那覇地裁(安原和臣裁判官)であった。
検察側によると、無職〔27)の被告は県内の拠点を統括する幹部とされる。検察側の冒頭陳述によると、グループは2018年11月ごろから活動。沖縄市や宜野湾市、北中城村など拠点を移しながら違法な貸し付けを重ねた。
捜査当局からの摘発を免れるために、貸し付けを巡る客とのやり取りで架空の人や会社の名前を使った取引を装うなどし、「鬼電」と呼ばれる執拗(しつよう)な取り立て電話で客に貸付金の返済を迫っていた。無職(27)の被告は「第三順位」の幹部で、塗装工(35)の被告はメンバーに犯罪収益を分配する「報酬分配役」の役目を担っていたとした。
幹部の立場にあったとされる無職(27)の被告と、ほかにグループメンバーとして起訴された52歳の無職の被告=宜野湾市=、27歳の無職の被告=うるま市=、35歳の無職の被告=沖縄市=はいずれも起訴事実を認めた。
塗装工の被告(35)は起訴事実について大筋で内容を認めた上で「期間限定のつもりで関わっていた」などとしてグループへの主体的な関与を否定し、弁護側も認否を留保した。