那覇市で11日に開かれた「フラワーデモin沖縄」は、県内で続発する米兵の性的暴行事件に対し「女性の尊厳が守られる当たり前の安心安全な暮らしを」と声を上げた。聴衆は、マイクを握る参加者の声に静かに耳を傾けた。「沖縄だけの問題ではない」と県外から駆け付けた参加者の姿もあった。
この日は、通行人に向けて横断幕やプラカードを掲げて意思表示をする「サイレントスタンディング」に加えて緊急集会が開かれ約70人が参加した。性暴力に対して声を上げられない人もいる現状を思い、スピーチしたい人が現れるまで沈黙の時間も共有した。
「連帯したい気持ちがあってもこういう場に来られない人もいる」。うるま市から参加した女性(32)は米軍基地が近いうるま市でアメリカへの憧れがある環境で育ち、周囲には家族に米軍関係者がいる人も多いという。時に言葉を詰まらせながら、基地や米兵の存在が身近であるがゆえに語りづらい現状に触れ、「女性差別や性暴力に声を上げたい人が恐れずに来られる場所があったらいいなと思う」と話した。
この日は全国各地のデモも沖縄の抗議に連帯を表明し、メッセージも読み上げられた。
この日の昼に佐賀駅前で「フラワーデモin佐賀」を行った池崎基子さん(54)=佐賀市、山本愛さん(48)=同=は、その足で沖縄へ駆けつけた。理不尽な状況を強いられる沖縄の現状に「みんなで考えなければならない」と繰り返した。地元佐賀県で進む陸自オスプレイ配備計画にも触れ、平和と女性の尊厳が守られる当たり前の社会へ「(沖縄と)心を一つにしたい」と締めくくった。
(中村優希、小浜早紀子、慶田城七瀬)