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「ありがとう幸也」 パリ五輪自転車の新城、父が古希を迎える日に出場 石垣の実家で家族ら声援


「ありがとう幸也」 パリ五輪自転車の新城、父が古希を迎える日に出場 石垣の実家で家族ら声援 新城幸也選手のゴールを見守り、安堵の表情を浮かべる父・貞美さん(中央)と母・るみ子さん(同左)ら=4日午前0時半ごろ、石垣市登野城の新城貞美さん宅(八重山毎日新聞社提供)
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 「最後までよく頑張った」「ありがとう幸也」―。パリ五輪自転車男子ロードレースに出場した石垣市出身の新城幸也選手(39)=バーレーン・ビクトリアス=の実家では3日夜、家族や後援会関係者ら約30人が集まり、雄姿を見届けた。午後6時から始まったレースが終了したのは日付をまたいだ午前1時前。約6時間半の長旅を共にし、遠く離れたパリの地で力走する新城選手に大きな声援を送り続けた。

 序盤からメイン集団の後方でレースを進めた新城選手。時おりテレビ画面に姿が映ると「幸也いけ」「まだいけるぞ」「ここから勝負だよ」と応援にひときわ熱がこもった。

 集団から離脱した後は中継カメラで状況が確認できず、皆不安げな様子だったが、フィニッシュ前の最終ストレートに姿が現れると雰囲気が一変。「よっしゃ」「良かった」と喜びを爆発させた。ゴール後は単騎出場で世界を相手に最後まで食らいついた新城選手に大きな拍手を送った。

 母・るみ子さん(65)は「頑張っている幸也の姿を皆で見ることができて幸せです」と涙を流して喜んだ。メイン集団から離脱して以降は「どうしたんだろう」と不安もあったというが「ゴールしてくれてほっとした。おそらく最後となる五輪をかみしめて走ったと思う。最後までよく頑張ったね、お疲れさま、ありがとうと伝えたい」と笑顔を見せた。

 この日70歳、古希の誕生日を迎えた父・貞美さん(70)は「親孝行息子としか言えない。最高のプレゼントになった」と感慨深げ。「すごく苦しいレースだったと思うがよく完走を成し遂げてくれた。これが最後の五輪か分からないがほめたたえたい。新城家の宝だ」と胸を張った。

(八重山毎日新聞社提供)