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「国、県民の心情考えず」 対馬丸撃沈の日に搬出再開


「国、県民の心情考えず」 対馬丸撃沈の日に搬出再開 土砂搬出再開に抗議する市民らを機動隊が排除後、土砂を積んで国道に出るダンプ=22日、名護市安和(ジャン松元撮影)
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 対馬丸撃沈から80年がたち慰霊祭が行われた22日に、安和桟橋から土砂搬出作業が再開されたことについて、抗議の現場から憤りの声が上がった。

 名護市の女性(69)は「国は沖縄の節目を分かっていない。県民の心情を意図的に傷つけようと考えているとしか思えない」と怒りを込めた。有事の際の避難計画にも触れ「対馬丸事件があるのに、先島諸島で国民の避難計画が出てくるのは理解できない」と話した。

 大宜味村の女性(66)は、戦時中、国が国民に戦況を知らせず疎開を進めて対馬丸が撃沈されたことと、対馬丸慰霊祭が行われる日に土砂搬出作業を再開したことを重ね「どちらも国が市民のことを全然考えなかった結果ではないか」と話した。

 (狩俣悠喜)