米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添市移設を巡り、沖縄防衛局が23日にボーリング調査を始めたことに、市民から反発の声が上がった。軍港建設が、移設先の浦添市港川にある自然海岸「カーミージー」の生態系に与える影響を危惧する声や、軍港建設に反対しない県や浦添市への批判もあった。
カーミージー周辺で生き物の観察会をする「カーミージーの海で遊び隊」の浪岡光雄代表(75)=浦添市=は「軍港ができたら、カーミージーは終わる。そこにすむ生き物が激減する」と強い懸念を示した。浪岡さんによると、西海岸道路が建設された後、カーミージーに生息するエビ類やカニ類など多くの生き物が減少しているという。
那覇軍港の浦添移設について意見書を沖縄防衛局に出した市民有志メンバー、当山愛美さん(32)=浦添市=は「『辺野古は駄目で西海岸はいい』という県の考えは、どちらも軍事施設であるという点で矛盾している」と指摘。「県には『これ以上負担を押し付けるな』と国に言う強さがほしい。松本哲治市長も市民の声をもっと取り上げてほしい」と訴えた。
(狩俣悠喜、藤村謙吾)