美しい三線の音で会場を包んだ山里青年会の地謡・伊佐真七成(まなせ)さん(20)。伊佐さんは曽祖父から山里青年会の地謡をつなぎ、4世代目となる。山里青年会の伝統を「残したい」との思いを込めた。
16歳の時に青年会に入り、その2年後から地謡として青年会を支えている。三線を始めたきっかけは意外にも「高校の先輩がかっこよかったから」。先輩に憧れるように三線を始めた。
祖父と父が同じく地謡をやっていたことは知っていたが、曽祖父がやっていたことは「知らなかった」と話す。
青年会の先輩でもある父からは細かい指摘を受けることもあった。特に歌詞には厳しかった。「間違った方言を使っている」との注意もあった。思いを引き継ぐように伊佐さんも地元のしまくとぅばや踊りの伝統を含め「昔のものを残していきたい」と練習を重ねる。
最近は父からの「指摘がなくなってきている」と自身の上達も感じる。「まだ自分は若い。今後は(後輩を)引っ張っていきたい」と意気込んだ。
山里青年会の顔とも言える入場曲「豊節」は歌詞のない曲だ。「唄がない分隠せない。きれいに弾こうと思う」と意気込む。曽祖父からつなぐ「残したい」という思いを乗せ、伊佐さんの奏でる音は夜空に美しく響いた。
(金盛文香)