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警察かたる詐欺、昨年ゼロ→今年14件 最高被害3000万円 沖縄県警「警察が金銭要求、逮捕の話、絶対ない」


警察かたる詐欺、昨年ゼロ→今年14件 最高被害3000万円 沖縄県警「警察が金銭要求、逮捕の話、絶対ない」
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 警察官をかたる「オレオレ詐欺」の県内の認知件数は、昨年は年間で0件だったが、今年は今月27日時点の暫定値で14件(最高被害額約3千万円)に上る。7月以降は10件と続発しており、県警は「警察が電話やSNSなどで金銭を要求したり、逮捕状を見せたりすることは絶対にない」などと注意喚起している。

 県警によると、今年に入り県内の特殊詐欺の認知件数は27日時点の暫定値で54件(被害総額約9千万円)と、昨年1年間の48件を上回っている。このうちオレオレ詐欺は18件(同約6400万円)で昨年1年間の3件から跳ね上がり、警察官をかたる事例が14件を占める。

 警察官をかたるオレオレ詐欺の手口は、マネーロンダリング(資金洗浄)や詐欺、薬物犯罪などに被害者が関与しているとして、捜査協力を求めるものが多い。ビデオ通話などに誘導し、警察手帳や逮捕状のようなものを示した上で、資金調査や保釈金を名目に、指定口座に金を振り込ませるケースが目立つ。

 県警は「警察官が金銭を要求することや逮捕の話をすることは絶対にない」と指摘。「ビデオ通話など遠隔で逮捕状や警察手帳を示したり、個人情報が含まれる通帳やキャッシュカードの提示を求めたりすることもない」と強調する。

 職場や家族など、周囲に相談することをためらう被害者もいることから、県警は「たとえ容疑者であっても、捜査について周囲に相談したことで罪に問われることはない」と説明。「身に覚えがない話がある場合は、金を振り込む前に最寄りの警察署に問い合わせや相談をしてほしい」と呼びかけている。