1日は防災の日。地震や津波、台風などの災害はいつ訪れるか分からない。県内の自治体は、住民らが参加し、災害時に役立つ知識や情報などを発信し、体験できるイベントに取り組んでいる。
那覇市とLINEヤフーコミュニケーションズは8月30日、通信アプリLINEを使い、予告なしで「とつぜんはじまる避難訓練」を同日から9月13日まで実施すると発表した。那覇市松山の津波避難ビルで知念覚那覇市長や同社スマートシティ本部の南方尚喜本部長が記者会見を開き「楽しみながら防災について考えて」と呼び掛けた。
訓練は、那覇市のLINE公式アカウントで事前登録すると、仕事や外出中に突然、通知がきて始まる仕組み。会見では、お笑い芸人こきざみインディアンのさーねーさんともーりーさんが通知内容を説明した。
通知を受けた2人は、スマホに表示された備蓄食料や避難経路の確認、外出時には安全帽をかぶる対策などを説明した。位置情報に基づいて表示される最寄りの避難所を選択した後、家族や友人に行動先を共有する手順も紹介した。
訓練を監修した日本赤十字看護大学付属災害救護研究所の曽篠恭裕部門長は「災害時は安否確認が迅速な避難行動の妨げになる」と説明。行政からの災害情報を基に、自らがどう行動するかを周囲に知らせておく大切さも強調した。
知念市長は「災害発生時に冷静な行動を取れるように、ぜひ参加してほしい」とあいさつ。
南方本部長は全国で9700万人が利用するLINEを活用して「防災を楽しんでほしい」と呼び掛けた。
(嘉陽拓也)