那覇署は5日、県内に仕事で滞在していた愛知県の50代男性が、警察官や検察官をかたる男らから電話を受け、現金約2千万円をだまし取られる「オレオレ詐欺」が発生したと発表した。
署によると、8月初旬、男性のスマートフォンに県外の警察官を名乗る男から「あなた名義で契約された携帯電話が詐欺事件に使われ、あなた名義の銀行口座に現金が集められている。被害届が十数件出ていて、すぐにでもあなたを拘束することができる」との電話があった。
その後やりとりは交流サイト(SNS)に移行。男性の名前や住所、警察官の名前などが記された捜査に関連する書類とされる画像が送られてきたという。続いて、検察官を名乗る男から「保釈金として現金を振り込めばすぐに逮捕されることはない。事件に関与していないことが分かれば保釈金は返金される」と電話があった。男性はネットバンキングを利用して、指定口座に複数回に分けて現金を振り込んだ。
県警によると、今年に入り県内で発生したオレオレ詐欺は5日時点で19件(被害総額約8500万円)、うち警察官をかたる詐欺は15件に及ぶ。那覇署は「警察や検察が電話などで金銭を要求することは絶対にない。必ず詐欺を疑ってほしい」と呼びかけている。