環境省はこのほど、石垣島と西表島の間に広がるサンゴ礁「石西礁湖」で大規模な白化が進んでいると明らかにした。
6日に石垣市で開かれた第34回石西礁湖自然再生協議会で8月に実施した調査の内容が報告された。海水温の上昇や晴天日が続いたことなどが影響しており、一部は死んでいる個体もあった。
9月2~8日の7日間にも、環境省が琉球大学理学部の中村崇准教授らと共に、石西礁湖内の31地点で調査を実施した。水深2~6メートルの地点で調査した約6700群体のうち8割以上が白化し、一部は死んでいた。9割以上が白化した2016、22年より現時点で白化率は低いが、程度が進行している割合が高いのが特徴。特に礁湖内の南側の水温が高く白化が深刻で被度も下がっている。白化に弱いトゲサンゴは正常な状態の個体がなく、回復が見込めず、テーブル状のミドリイシは25%が死んでいたという。
環境省が計測している小浜島沖の海水温データでは、24年は日平均の海水温が30度に達するのが例年より早かった。7月20日には大白化が起きた16、22年よりも高い値の31・9度となった。先島諸島に接近した台風3号の影響で一時的に水温は低下したが、8月15日には再び31・6度まで上昇するなど、高止まり傾向にある。
中村准教授は「例年9月下旬から海水温が下がる時期となる。白化が軽微な状態なものは回復するはずだが、重症なサンゴの回復は厳しい」と話した。
(中村優希)