八重山石西礁湖のサンゴ2割死滅 9月調査から3.7ポイント増加 環境省調査


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10月の調査時の石西礁湖の様子。茶色い部分は、死んだサンゴの骨格を海藻が覆ったものとみられるという=10月下旬、竹富島沖(環境省石垣自然保護官事務所提供)

 【石垣】環境省石垣自然保護官事務所は9日、10月下旬から11月上旬に実施した調査で、日本最大のサンゴ礁・石西礁湖のサンゴの死亡率が21・4%になったと報告した。9月下旬調査時の死亡率17・7%から、3・7㌽上昇した。白化の影響で死亡率が上昇したかどうかは、今後の調査を踏まえた上で検証する。9日に石垣市の県八重山合同庁舎であった石西礁湖自然再生協議会で、発表した。

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 石西礁湖では今年、サンゴの白化現象が進んだ。海水温の上昇などが原因と指摘されている。報告によると、9月下旬の調査では白化率が92・8%だった。近年では、2016年以来の大規模白化現象とみられる。
 今回の調査では白化率は66・2%で、9月下旬からは26・6㌽低下した。
 発表した石垣自然保護官事務所の大嶽若緒自然保護官は「秋口になり、気温が涼しくなったことで、白化から回復したサンゴもあるはずだ。今後の調査結果を踏まえて石西礁湖の状況を判断していくことになる」と説明している。
4(西銘研志郎)

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