台風14号は18日夕方までに暴風警報は発表されなかったものの、下校時間に警報級の大雨が予想されたこともあり県内の小中学校計97校が午後から休校したり、下校時間を繰り上げたりする対応に追われた。保護者からは「突然の午後休校だと共働きでは調整できない」との訴えもあったが、学校側は「児童の安全を第一に考えるしかない。今回の台風は先が読めず判断が難しい」と苦慮していた。
各市町村教育委員会によると、台風14号の影響で休校や下校時間を繰り上げた小中学校は計97校。内訳は小学校で終日休校2校、給食後の午後休校48校、下校時間の繰り上げ17校。中学校は午後休校18校、下校時間の繰り上げ12校だった。
各学校では台風時の登下校に関する判断基準などを事前に保護者へ通知している。だが、台風14号は18日午後に警報級の大雨が予想されていたため、各学校で17日夜に翌日の午後休校を判断したり、近隣地域の対応を加味して18日朝に下校時間の繰り上げを判断したりしたという。
結果的に18日は目立った被害はなく、那覇市内の小学校では学校職員に見守れながら早めに帰る児童生徒の姿があった。市内の中学校教頭は「結果として悪天候ではなかったが、児童生徒の安全を最優先にすることで保護者の不安も取り除ける」と語る。
8月末の本州を通過した台風10号を巡っては、福岡市教育委員会が暴風警報発表中に児童生徒を登下校させたことで批判を受けたため、その後、福岡地方が「暴風域」や「強風域」に入る見込みがある場合は全市一斉休校とする判断基準を設けた。那覇市内の別の教頭は福岡の事例を挙げて、暴風警報以外に通学路の冠水や河川の氾濫などのさまざまなリスクを考慮しないといけなかった状況に「今回の台風は特に判断が難しかった」と語った。
(嘉陽拓也まとめ)