2023年8月に宮古島市の下地島北側の沖合でダイビング船「クリスタルM」(4・8トン)が転覆し乗船者20人が救助された事故について、運輸安全委員会は26日、船尾にある仕切り板を取り外した上、約千キロの潜水器材を積載した状態で運航したことなどにより船内に海水が流れ込み、転覆したとする調査報告書を公表した。
報告書では指導や運航管理に関する関係行政機関の取り組みが必ずしも十分ではなかったとの指摘もあった。
運輸安全委員会によると、クリスタルMの最大搭載人員数は24人だった。一方、船尾の仕切り板が外されていたことや潜水器材の重みで海水が流入しやすくなり、当時の搭載可能人員は11人程度に減っていたという。
仕切り板は同船が出航開始した06年ごろから乗り降りしやすいようにと取り外されていたという。しかし、船の構造上の変更があった際に必要な臨時検査を受けていなかった上、関係機関による定期検査でも指摘がなかったという。運輸安全委員会は「安全運航にかかわる重層的な安全管理や指導がなされるべきだ」と指摘した。