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那覇市の「小禄市営住宅」 基準超のアスベスト検出 来年度にも64戸を転居、除去作業へ 沖縄 


那覇市の「小禄市営住宅」 基準超のアスベスト検出 来年度にも64戸を転居、除去作業へ 沖縄  居室の天井仕上げ材から基準値以上のアスベストが検出された小禄市営住宅=27日、那覇市田原
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉陽 拓也

 那覇市小禄市営住宅10号棟の居室の天井仕上げ材から、労働安全衛生法の基準値を超えるアスベスト(石綿)が検出されていたことが、29日までに市への取材で分かった。

 市は10、11号棟の計64戸が同様とみて、2025年度にも入居者を転居させて除去作業を行う。 

 今年6月、市は10号棟1室の退去に伴う修繕工事の際にアスベストの含有を確認した。天井には、建設業労働災害防止協会が定める作業レベル区分(1~3)の中でも、最も飛散性が高いため厳重な暴露防止対策が必要とされる石綿含有吹きつけ材(レベル1)が施されている。定量分析調査の結果、建材のアスベスト含有量は基準値0・1%を上回る0・8%だった。

 市によると、天井仕上げ材の上からペンキが塗られているため、室内における空気中のアスベストは大気汚染防止法の基準値以下だった。そのため、入居者には除去工事まで天井に触れないよう呼び掛けている。ただ、入居中の全64戸の天井を確認しておらず、生活の違いや経年劣化によって飛散性が高くなっている危険性がある。

 小禄市営住宅は1980年代に建設されたが、なぜ10、11号棟のみアスベストが使用されたのかは不明。大気汚染防止法では、アスベストを含む工作物を解体、補修する場合は事前調査や保健所への届け出が必要になる。対象2棟ではこれまでも退去に伴う修繕工事が行われてきたが、アスベスト対策が講じられてきたかも分かっていない。市は06年以前に建設された他の市営住宅でも調査しており、健康被害などの訴えがあれば保健所と調整して対応するという。 

(嘉陽拓也)