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漂着コカインが多発 沖縄地区税関が新部門を設置、海域の取り締まりを強化 


漂着コカインが多発 沖縄地区税関が新部門を設置、海域の取り締まりを強化  監視艇に乗り海上でパトロールする沖縄地区税関の職員=9月24日、本島周辺の海域
この記事を書いた人 Avatar photo 西田 悠

 沖縄県内の海岸や周辺海域で、漂着・漂流したコカインなど多量の不正薬物が発見される事例が昨年夏ごろから多発しているなか、沖縄地区税関が7月から、外国との通商の許可を受けていない「不開港」を取り締まる「不開港取締部門」を設置している。同税関の新垣修監視部長は「密輸は365日いつ行われるか分からない。部門新設を機に、さらなる職員の能力向上と関係機関との連携強化を図っていきたい」と力を込める。

 沖縄地区税関によると、貨物の輸出入や外国貿易船の入出港が認められている県内の「開港」は金武中城、那覇、平良、石垣の4港。これ以外の漁港などが不開港にあたり、県内に200余りが点在する。不正薬物は、海上の航路などで船から船に荷物を積み替える「瀬取り」や、GPSを取り付けて海上に漂流させ回収する方法などで、県を含む国内に持ち込まれている可能性があるという。

 県内や周辺海域では、昨年7月に中城村の海岸で約18キロ、8月には慶良間諸島南沖で約28キロのコカインが発見されている。今年に入っても、1月に八重瀬町の海岸で漂着したコカイン約14・6キロが見つかった。昨年7月から今年1月までに同税関が押収しているコカインは計約60・8キロで、末端価格は計約14・6億円に上る。

 9月24日には、新設された不開港取締部門の職員らが、那覇港や慶良間諸島周辺の海域で監視艇によるパトロールを実施。海・陸上で連携しながら、外国貿易船に接触する不審な船や漂流物がないかや、漁港や海岸に不審物がないかなどを確認した。パトロールは、各地で地域住民と連携を図り、迅速な通報体制を構築する狙いもある。
 (西田悠)