国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)で17日に日本政府に対する審査が8年ぶりに開かれるのを前に、沖縄の女性たちが次々とジュネーブへ現地入りしている。
14日には、非政府組織(NGO)と委員との非公式対話の会合が開かれ、沖縄からのメンバーも出席して米軍基地から派生する有機フッ素化合物(PFAS)や米兵による性暴力の問題について報告した。17日の審査で委員から日本政府に対する質問の参考となる可能性がある。
14日の会合では、沖縄側からのメンバーを代表して「Be the Change Okinawa」の親川裕子さんが委員に対し報告した。宜野湾ちゅら水会やアクション沖縄、琉球弧の先住民族会(AIPR)、琉球民族独立総合研究学会(ACSILs)の5団体でまとめた報告で、基地・軍隊を許さない行動する女たちの会も賛同団体として加わった。
報告では、米軍基地由来とみられるPFASによって妊産婦と胎児への影響が懸念されているとして、日本政府に汚染源の特定や疫学調査を含む包括的な対策の実施を求めた。
また、今年6月に発覚した米兵による少女誘拐暴行事件など、米軍基地から派生する性暴力事件が相次ぐ実態は「琉球沖縄の先住民族女性の日常生活がいかに脅かされ続けているかを示す」と提起。被害者の保護と救済、補償制度を確立し「不処罰の文化の終焉」に向けて取り組み、現存する交差的な差別をなくす包括的な措置を取るよう求めた。
対面審査に向けて、日本国内NGOメンバーら80人以上が現地入りしているが、事前に委員会に提出したレポートでは、少なくとも6団体が米兵による性暴力に言及したほか、日米地位協定の改定を求めた。2002年に米兵から性暴力被害に遭った豪出身のキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんはビデオメッセージで改定を訴えた。
14日の会合の内容は、国連のウェブサイトで議事概要が掲載されており、日本政府への対面審査で委員から質疑や言及があるか注目される。
17日の審査は、日本時間で午後5時~8時、同10時~午前0時。国連のUNwebTVで中継される。審査結果は数週間後に「総括所見」として公表される。
(慶田城七瀬)