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過去にも「日当」言説問題に 東京MXのニュース女子は「根拠薄弱」と司法判断 漫画「島耕作」と辺野古抗議活動 沖縄


過去にも「日当」言説問題に 東京MXのニュース女子は「根拠薄弱」と司法判断 漫画「島耕作」と辺野古抗議活動 沖縄 スマホ(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 人気漫画「社外取締役 島耕作」の作中でみられた、米軍基地の反対運動に関して「反対派に日当が支払われている」などとする言説はこれまでも問題となってきた。2017年1月には米軍北部訓練場のヘリパッド建設への反対運動を取り上げた東京MXの番組「ニュース女子」で放送され、その後、「根拠として薄弱」との司法判断が示された経緯もある。

 漫画では、辺野古新基地建設工事の反対運動について、沖縄の女性のセリフとして「抗議する側もアルバイト」「一日いくらの日当で雇われた」としている。

 「ニュース女子」でも、番組テロップで「反対派は日当をもらっている」と示すなど漫画と同様の内容が放送され、番組内で「黒幕」などと名指しされたヘイトスピーチ(憎悪表現)反対団体「のりこえねっと」の辛(シン)淑(ス)玉(ゴ)共同代表が名誉を傷付けられたとして提訴。21年9月には東京地裁が、番組側の名誉毀損を認めた上で「根拠として薄弱」「真実と信じるについて相当の理由があったとはいえない」と判示し、23年4月に最高裁が判決を確定させた。

 訴訟の原告だった辛共同代表は「悪質なデマがまた繰り返された。表現の根底にある沖縄差別と、大衆を市民運動へのヘイトに向かわせる意図がうかがえる。フィクションだから許されるものではなく、漫画の影響力を考えると事態はより深刻だ」と指摘した。