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【1区】赤嶺政賢さん、共産唯一の小選挙区死守 9度目「宝の議席」守り、不条理解消へ決意新た<衆院選2024沖縄>


【1区】赤嶺政賢さん、共産唯一の小選挙区死守 9度目「宝の議席」守り、不条理解消へ決意新た<衆院選2024沖縄> 支持者らとカチャーシーを舞う赤嶺政賢氏=27日午後11時36分、那覇市おもろまちの選挙事務所(喜瀬守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 27日に投開票された第50回衆院選挙は、米軍基地問題や沖縄振興、物価高騰対策などを巡って激しい論戦が繰り広げられた。県内4選挙区のうち、辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」候補が県都・那覇市の1区、普天間飛行場を抱える2区で勝利した。一方、軍備強化が進む先島を抱える4区では自民候補が勝利した。3区は28日午前0時50分ごろに自民候補が当選を決めた。「平和を望む県民の心を訴える」「県民所得向上を進めたい」。当選した各候補は激戦を勝ち抜いた喜びをかみしめながら誓った。 (’24衆院選取材班)

オール沖縄「団結の勝利だ」

 前職2氏、元職1氏、新人1氏による激しい選挙戦となった沖縄1区。9度目の当選を果たした赤嶺政賢さん(76)=共産=は当確の一報が報じられると、支持者らと手を取り合い喜びを爆発させた。

 共産党で唯一の小選挙区議席を今回も守った。「県民の基地に対する不条理な思いが勝利に表れた。政府はよく認めてほしい」。選挙戦中、一貫して訴えた辺野古新基地建設中止に向けて決意を新たにした。

 政治家への原点は大学卒業後、八重山での高校教員生活で“離島苦”を経験したこと。干ばつや台風被害、輸送費がかさむ離島経済の苦しさを、身をもって経験した。「政治を変えよう」と決意し、共産党専従勤務員の道に進んだ。那覇市議3期を経て2000年に衆院選比例区で初当選。故・瀬長亀次郎氏と古堅実吉氏から引き継ぐ議席を守り続けた。

 今選挙中はインスタグラムなどSNSでの発信にも注力した。政策だけでなく性格や人柄を紹介するなど若者への訴えも意識した。選択的夫婦別姓や同性婚などの観点も訴えに盛り込み、基地問題だけでなく社会問題にも言及し支持を広げた。

 選挙区での勝利は2014年、17年、21年に続いて4度目。今選挙はこれまでにない大激戦で「オール沖縄」誕生時からの「宝の議席」確保も危ぶまれた。赤嶺さんは「オール沖縄の団結の勝利だ」と感謝の言葉を述べた。