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【1区・勝因敗因】赤嶺氏、自公批判の受け皿に 国場氏は保守分裂響く<衆院選2024沖縄>


【1区・勝因敗因】赤嶺氏、自公批判の受け皿に 国場氏は保守分裂響く<衆院選2024沖縄> 開票速報のテレビモニターを見ながら、拍手が起こる赤嶺政賢氏の選挙事務所=27日午後10時、那覇市おもろまち(喜瀨守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 当間 詩朗

 27日に投開票された第50回衆院選は、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力の候補が県内4選挙区のうち、1、2区で勝利した。政権与党の自民は改選前の議席を減らし、4区を死守した。自民派閥の裏金問題に対する有権者の反発も大きく、2025年参院選や26年知事選への影響も必至。オール沖縄は攻勢を強める構えで、自民は巻き返しを図る。 (’24衆院選取材班)

 前職2氏、元職1氏による事実上の三つどもえとなった1区は共産前職の赤嶺政賢氏が4度目の選挙区での勝利を収めた。8期24年の長年の政治経験と知名度を武器に、都市型選挙と位置づけられる大票田那覇市で、自民党派閥裏金問題など、自公政権批判の受け皿となり、無党派層に着実に浸透した。

当選の弁を述べる赤嶺政賢氏=27日午後11時38分、那覇市おもろまちの選挙事務所(喜瀨守昭撮影)

 那覇選出の与党県議団が共同代表制を敷いた選挙態勢で、共産をはじめ、社民、社大などの革新政党支持層の票を固めた。公示直前、候補者擁立を巡ってれいわとの対立があったものの、れいわの擁立断念で無難に支持をまとめ上げた。「オール沖縄」から経済界が離脱したことで保守・中道層離れが懸念されていたが、無党派層に着実に浸透した。

 自民前職の国場幸之助氏は経済界と知念覚那覇市長の全面支援を受けた。推薦を受けた公明との組織戦を徹底したが、保守支持層の一部が無所属元職の下地幹郎氏に流れた。

 前回選同様、保守分裂による票の分散を乗り越えられず、無党派層への浸透を図れなかった。 

(当間詩朗)

基地の不条理、勝利に 

赤嶺政賢氏の話 オール沖縄の団結は揺るがないぞと言う皆さんの気持ちが勝因だ。沖縄県民の基地に対する不条理な思いが私の勝利に表れているので政府はよく認めてほしい。

 首相に聞いても、辺野古新基地の完成や普天間飛行場の閉鎖の見通しはは言えない。行き詰まっているのは政府の方だ。「新たな基地を作らせず、普天間の即時閉鎖・撤去」という闘いを県民と共にやっていきたい。

 自民党の裏金問題への怒りは強かった。企業献金を廃止しないと金権腐敗政治が続いてしまう。

苦しい選挙戦、支援者に感謝

国場幸之助氏の話 大逆風の中からのスタートで非常に苦しい選挙戦であったのは事実だ。多くの支援者が戦ってくれたことに感謝したい。小選挙区で勝ってほしいという声を実現できなかったことに心からおわびを申し上げる。

30年間に誇り、政治から引退

下地幹郎氏の話 10回出馬した中で、この選挙が沖縄が変わる最大の分岐点になると思っていた。最後のチャレンジと言ってきたので、約束通り政治の道からは手を引きたい。30年間に誇りと自信を持って終わりたい。

違う選択肢示せた

和田知久氏の話 浸透はしきれなかったが、地道に活動し、これまでの自民党やオール沖縄とは違う選択肢を示せた。