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【識者談話】オール沖縄、新たな結集軸検討を 自民は改革へ覚悟示せ 波平恒男(琉球大名誉教授) 


【識者談話】オール沖縄、新たな結集軸検討を 自民は改革へ覚悟示せ 波平恒男(琉球大名誉教授)  波平恒男氏
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 今回の総選挙では、全国的には、派閥裏金事件の厳しい逆風にさらされた自民党がどこまで議席を減らすか、また自民批判票の受け皿として野党各党がどの程度の議席の伸びを示すのかが注目された。

 沖縄選挙区では、今回もオール沖縄と自公の対決という従来の構図がベースとなった。小選挙区では、オール沖縄が2014年以降、一時は圧倒的な強みを示していたが、その後潮目が変わり、21年の前回選挙では2勝2敗。ここ3年間でも、今年の県議選での大敗が示すように、オール沖縄は各種選挙で苦戦が続き、退潮傾向が目立ってきていた。

 その意味で、今回の自民党の裏金事件という敵失は、オール沖縄にとっては近年の劣勢を押し戻す好機といえた。

 結果は前回と同様の2勝2敗。1、2区を制し、3、4区では敗れたが、この4区とて候補者の一本化に成功していたならば違った結果となったかもしれない。

 また、現時点ではまだ分からないが、選挙区で敗れた自民の2候補は比例復活という点でも逆風のあおりを受ける可能性がある。

 自民惨敗の結果を受けて、国政レベルではただちに政局が大きく動き出すだろうことや、来年夏の参院選、2年後の県知事選を考え合せると、今選挙でも自民の候補者にはもっと党内改革への覚悟を示す姿勢や主張があってもよかったのではないか。またオール沖縄勢力は、これ以上の自衛隊配備強化による南西諸島の軍事化の阻止を新たな結集軸の一つとして真正面に据えることの検討を急いでもよいのではないか。 (政治学)

 (’24衆院選取材班)