2022年11月4日から始まった米軍F15戦闘機の退役に伴う巡回配備。琉球新報の調べでは騒音発生回数自体は減ったものの、騒音最大値が100デシベルを超える爆音回数は増加している。周辺住民からは「騒音で会話が途切れる」「基地負担軽減から逆行している」などといった声が上がる。
沖縄市西部にあり、嘉手納基地にも近い山内地域では、巡回配備後から騒音の苦情数が増加している。山内自治会の廣山實会長は「電話や来客の対応をしていても騒音で会話が途切れることはしょっちゅうある」と肩を落とす。また「戦闘機が連なって飛んでくることもある。基地周辺で建物の高さ制限もある地域なので、他よりも低空を飛んでいるかもしれない」と懸念を示した。
嘉手納基地の滑走路付近に隣接し、日頃から激しい騒音にさらされている北谷町砂辺区。照屋博一自治会長は「2年前から爆音が激化していると感じていた。特にF35Aステルス戦闘機が飛来する時はうるさい。国は『基地負担軽減に努める』と言うが、この2年は逆行している」と指摘した。
「爆音の激化もあるが、僕らとしてはより有事が近づいているとの印象がある」と語るのは第4次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団嘉手納支部の福地勉支部長だ。米軍は嘉手納基地に常駐していたF15の退役に伴うものとしているが、「米軍は基地に常駐機を置いといたら有事の際に全て攻撃されると考え、巡回配備体制にしたのではないか。外来機の飛来が増えたことで有事が近づいているのではないかと感じる」と現状を案じた。
(梅田正覚、福田修平)