【中部】米軍嘉手納基地に配備されていたF15戦闘機の退役に伴う巡回配備が始まって4日で2年になる。巡回配備2年目の騒音発生回数は減少しているものの、巡回配備前と比較し、100デシベルを超える騒音の発生回数は増え、周辺住民からの苦情件数も多いままだ。F15戦闘機の後継機であるF15EXの配備時期は未定の中、新たにF16やF22、F35戦闘機が飛来するなど巡回配備の抑制は見られず、住民の負担が軽減されない状況が続いている。
沖縄市、北谷町、嘉手納町の測定局で観測された騒音発生回数は、巡回配備前の2021年11月~22年10月までが15万4404回。巡回配備後の22年11月~23年10月は18万219回と増え、23年11月~24年10月までは14万1765回と減少した。
一方、最大値が100デシベルを超える月は、巡回配備前1年間で沖縄市、嘉手納町共に6回だったのに対し、配備後1年目はそれぞれ10回と11回、2年目はそれぞれ10回と9回だった。北谷町は110デシベルを超える月が、巡回配備前は6回だったが、配備後1年目は12回、2年目は11回に増加。100デシベルは電車が通る時のガードの下、110デシベルは自動車の警笛(前方2メートル)とされる。高レベルの騒音が続いている。
苦情件数も沖縄市と北谷町で高止まりしている。巡回配備前、配備後1年目、2年目で比較すると、沖縄市は99件、395件、304件と配備前より3倍以上に。北谷町も77件、216件、183件と2倍以上が寄せられた。騒音発生回数が減少しても住民の負担は軽減されていない。
1日現在、巡回配備の一環で、F16、F22、F35がそれぞれ12機、新たに飛来している。米軍はF15戦闘機の後継機にF15EXを36機配備する予定だが、更新の詳細な時期は明らかになっていない。防衛省によると、F15EXの最大騒音レベルはF15に比べて大きいとされており、今後も騒音の負担が続くことが予想される。
(金盛文香)