運営を請け負っていた北谷町の障がい者グループホームで、夜間支援体制の水増し請求をしていた同町のコンサルタント会社が、医療連携体制加算でも必要な入居者の同意を得ずに申請し、その33%を業務委託料として得ていたことが5日までに分かった。医療連携で派遣する看護師は自社の訪問看護部の所属で、訪問の回数は極端に少なかった。
グループホームの医療連携は、医療機関などと委託契約し、看護師が訪問して看護を行う。看護の形態などで7区分あり、コンサル会社が加算請求していたのは、医療ニーズが必要な場合、適切に対応できる体制を整備するタイプ。看護師の訪問回数は決まっていないが、日常的な健康管理をしなければならない。
グループホームを所有する法人は昨年2月~今年7月、コンサル会社に運営を委託していた。この法人によると、コンサル会社は医療連携の契約書を交わしていないという。加算には入居者15人全員の同意が必要だが、コンサル会社はそれも得ていなかった。看護師の訪問は月1回弱で、数人に検温や聞き取りをするだけだった。15人のうち4人は訪問報告表に一度も名前がなかった。
医療連携加算は毎月約16万5千円で、契約期間中に総額約330万円となった。うち約110万円を業務委託料としてコンサル会社が得ていた。県障害福祉課は「日常的な健康管理などが加算の理由で、目的に沿わない請求は不適切。実態を調べていく」としている。
コンサル会社は県内で複数のグループホームを運営。申請業務を一括して行い、グループホームの総合的な責任を負うサービス管理者(サビ管)にも申請内容を知らせず、不正な申請を繰り返したとみられる。コンサル会社が運営する別のグループホームに、かつて勤めていた元サビ管は「請求業務はしなくていいと最初から言われていた。どんな申請をしているのか全く分からなかった」と指摘する。
コンサル会社で実務を担っていた担当者は、琉球新報の取材に「不正はしていない」としつつ「コメントは差し控えさせていただく」と説明を拒んだ。
(宮沢之祐)