北谷町のコンサルタント会社が運営を請け負っていた同町の障がい者グループホームで、実際には夜間支援員が1人なのに、複数人を配置したと水増し請求し、9市町村から給付を得ていたことが2日までに分かった。グループホームを購入した法人が不正に気づき、自社が得た1年8カ月分、総額約2200万円とみられる不正取得分の9市町村への返還手続きを始めた。コンサルタント会社は不正請求について説明を拒んでいる。
グループホームは精神障がい者と知的障がい者が対象の「共同生活援助」に当たる。定員15人。元はコンサル会社が所有し、自ら運営していたが、昨年2月に法人に譲渡した。コンサル会社に運営を委託する契約となっており、県への事業指定や、利用者が住んでいた9市町村が支払う給付費の申請などはコンサル会社がしていた。
しかし、給付費の根拠を不審に思った法人が県障害福祉課などに相談。同課に提出されていた勤務体制一覧表を確認したところ、夜間支援員は1人なのに3人体制と記載されていた。しかも法人側が把握していない名前が複数記されていた。
これを受け、法人は今年7月、コンサル会社との契約を解除。9市町村への修正申告を決めた。コンサル会社は従業員の勤務状況や介護給付の請求記録の引き渡しを拒否。契約違反の運営をしたとして、法人が求めているコンサル料の返還にも応じていない。
コンサル料は、家賃と給付費からなるグループホームの収入の10%だった。水増し請求で手厚い給付を得ると、コンサル料も上がることになる。
県障害福祉課は「法人への運営指導を継続し、不適切な運営を是正してもらう」としている。コンサル会社の社長は、琉球新報の取材に対して「不正な請求をした認識はない」と述べ、事実と異なる申請などについては「分からない」とした。
コンサル会社は県内で複数のグループホームを運営しているとみられる。同社のホームページには16のグループホームを掲載し、定員の合計は252人に上る。
(宮沢之祐)