線状降水帯、沖縄本島北部に被害 東村で24時間486ミリ観測史上最大 各地で土砂崩れや浸水


線状降水帯、沖縄本島北部に被害 東村で24時間486ミリ観測史上最大 各地で土砂崩れや浸水 川岸が崩れ、1階のトイレや倉庫が崩れた民宿兼飲食店=9日午前10時、東村平良(武井悠撮影)
この記事を書いた人 アバター画像 西田 悠

 9日未明から明け方、沖縄本島北部から鹿児島県与論町にかけて線状降水帯が発生し、大雨となった。24時間の雨量は東村で486・5ミリ、与論町で594ミリと、いずれも観測史上最大を記録した。与論町には一時大雨特別警報が出た。大宜味村は平南川の増水に伴い周辺地域に警戒レベルが5段階で最も高い「緊急安全確保」を出した。沖縄本島北部では住居の浸水や土砂崩れなどの被害が発生した。

 気象庁が11月に大雨特別警報を出したのは、2013年の運用開始後初めて。沖縄本島北部には大雨・洪水警報、中南部に洪水警報が発表された。

 東村では9日未明に1時間に101ミリの猛烈な雨が降り、観測史上最大を記録した。

 各地の消防によると、国頭、大宜味、東の3村と名護市で床上浸水8件、床下浸水1件が発生。県北部土木事務所によると、県管理道路では7件の土砂崩れ、道路冠水3件、冠水に伴う立ち往生など車両関係の消防出動が6件あった。県警によると9日午後6時時点でけが人は確認されていない。

 大宜味村では津波浄水場のろ過池が浸水して水が供給できなくなり断水した。

 7日の降り始めから9日午後4時までの降水量は、東村平良で503ミリ、国頭村奥で354ミリ、同村比地で267ミリ、名護市宮里で137ミリ、南城市糸数で101ミリ。

 沖縄本島地方では、10日にかけて激しい雨が降る見込み。沖縄気象台は大雨の影響で地盤が緩んでいる所があるとして、土砂災害に厳重に警戒するとともに、低い土地の浸水、河川の増水に注意するよう呼びかけている。

 (西田悠まとめ)