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在来馬は「文化遺産」 那覇でシンポ 触れ合い創出語る 沖縄


在来馬は「文化遺産」 那覇でシンポ 触れ合い創出語る 沖縄 基調講演する高田勝氏=10日、琉球新報ホール
この記事を書いた人 アバター画像 増田 健太

 沖縄在来馬を知るシンポジウム2024(沖縄在来馬保存事業実行委員会主催、全国乗馬倶楽部振興協会共催)が10日、那覇市の琉球新報ホールで開かれ、沖縄に生息する在来馬2種の保存に向けて、触れる機会を創出し継続することが重要だとの意見が交わされた。今帰仁村の畜産家で沖縄こどもの国の元園長、高田勝氏の基調講演や、パネルディスカッションを通じて理解を深めた。

 高田氏は在来馬を含む在来家畜の定義を説明し「沖縄における文化資源だ」とした。そして「馬が消えるだけでなく、知識と技術が消えていく」と述べ、人間生活と密接な関係を築いてきた在来馬が急減してきたことに危機感を示した。

 県内に生息する在来馬は与那国馬と宮古馬の2種。パネルディスカッションでは県内各地で保存に取り組む牧場主らが登壇した。県外に飛び出して牧場に携わる県出身者らの活躍も紹介され、元中央競馬騎手の岡部幸雄さんが「うれしいことだ。県出身のジョッキーも誕生する」と喜んだ。

 久米島馬牧場を経営する井上福太郎さんは町民無料乗馬体験を開催するほか、馬クラブの小学生が運動会で馬を披露する機会をつくっている。井上さんは「休耕田や畑を使わせてもらっているので地域の理解が必要。地域の一員として認めていただき、長く続けていきたい」と語った。風光明媚(めいび)な砂浜で馬に乗って撮影するフォトウエディングや浜競馬の様子も動画で楽しく紹介した。

子どもたちに人気のヨナグニウマ=10日、琉球新報社1階広場「あじま~る」

 佐次田貴弘、中川美和子、朝倉隆介の各氏が馬にかかわったきっかけや魅力を語り、会場を盛り上げた。

 琉球競馬に詳しい梅崎晴光スポニチ記者が「(在来馬を)絶滅させたらわれわれの世代で終わってしまう」と述べた。宮古馬保存会の長濱幸男さんは行政の関与が始まったことで数が増えるとの見通しを示した。

 琉球新報1階あじま~るには与那国馬2頭が現れ、来場者と触れ合った。 

(増田健太)