沖縄県の玉城デニー知事は12日午前の定例会見で、辺野古新基地建設の設計変更申請を不承認とした県の処分が取り消されたことを不服とし、斉藤鉄夫国土交通相による裁決の取り消しを求める訴訟を福岡高裁那覇支部に提起する方針を表明した。総務省の第三者機関である国地方係争処理委員会(係争委)が県の不服審査申し出を却下したことを受け、設計変更申請不承認を取り消した国交相裁決の適法性について司法の判断を仰ぐ。
辺野古新基地建設を巡る国と県の裁判は10件目となり、設計変更不承認を巡って法廷闘争に移行するのは初めて。県は12日午後に同支部に提訴する。
玉城知事は12日の会見で「国交相は内閣の一員として、埋め立て事業を推進する立場だ。中立的、第三者という位置にはない。(裁決は)審査庁としての地位を著しく乱用したもので、違法な関与に該当することなどを主張していきたい」と述べ、不承認処分を取り消した国交相裁決は無効だと強調した。
また「過去2回の知事選挙や県民投票で明確に示された辺野古埋め立てに反対する民意に寄り添い、全身全霊で県民の強い思いに応えたい」と語った。
県は国交相裁決について「無効で、違法な国の関与」として係争委に審査を申し出ていた。係争委は7月12日「国の関与に該当しない」として県の申し出を却下した。8月12日が係争委判断に対する県の提訴期限となっていた。