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「代執行の手続き止めて」 国内の行政法学者101人が最高裁判決に異議 辺野古の設計変更巡り声明


「代執行の手続き止めて」 国内の行政法学者101人が最高裁判決に異議 辺野古の設計変更巡り声明 声明を読み上げる本多滝夫龍谷大教授(右から2人目)ら行政法学者有志=5日、国会内
この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 【東京】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に関し、行政法学者有志は5日、国会内で記者会見を開き、沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡る最高裁判決に異議を唱える声明を発表した。呼びかけ人と賛同する研究者は合わせて約100人に上っている。問題のある判決に基づいて斉藤鉄夫国土交通相が代執行訴訟を起こしたことを批判し、手続きの停止を求めた。

  学者有志は、玉城知事が政府が設定した期限内に承認しなかったことについては「地方自治法上、認められる」と説明する。地方自治法で代執行という手続きが用意されているのは、地域の実情に応じて判断する余地がまだ残されているからだと強調した。

 龍谷大の本多滝夫教授は判決の問題点を説明した上で「この判決に基づいてそのまま代執行に突き進むのは大きな問題だ。まず代執行手続きを止めてほしい」と訴えた。その上で、普天間飛行場の危険性除去について政府は県と話し合うよう促した。

 設計変更を巡って国は私人の権利利益救済のための制度を流用して承認を取り消し、その拘束力を根拠に行政庁としての是正の指示で承認を求めた。学者有志の声明は、性質の異なる制度の一体的利用で本来は想定されない効果を生み出したとして批判。この手法を肯定した最高裁判決は「説得力に欠け、地方自治の保障の観点からすると有害」と指摘している。

 9月27日に県庁記者クラブでも声明を発表し、玉城デニー知事に手渡している。

(明真南斗)

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