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岸田首相、日米同盟の強化打ち出す 所信表明で辺野古移設の推進も明言 防衛と沖縄振興の関連付け顕著に 


岸田首相、日米同盟の強化打ち出す 所信表明で辺野古移設の推進も明言 防衛と沖縄振興の関連付け顕著に  衆院本会議で所信表明演説を行う岸田文雄首相=23日、国会
この記事を書いた人 琉球新報社

 【東京】岸田文雄首相は23日に国会で実施した所信表明演説で、「自衛隊の統合運用の実効性」向上と「日米同盟」の強化を打ち出した。米軍と自衛隊が進める沖縄を含む南西諸島の軍事強化「南西シフト」が念頭にあるとみられる。

 辺野古移設の推進も明言した。昨年の臨時国会での演説に続き、地元住民との対話や説明への言及はなく、「防衛力の抜本的強化」に向けた政策の一環として「強い沖縄経済」の実現を掲げた。防衛政策と沖縄振興を関連づける傾向は一層色濃くなった。

 岸田首相は、2023~27年度の5年間で約43兆円とする防衛費増額を柱に「防衛力の抜本的強化」を速やかに実現するとした。

 その関連政策として自衛隊の機能強化や「日米同盟の抑止力・対処力」の強化、沖縄振興の基本方針とする「強い沖縄経済」の実現を据えた。

 沖縄関連では、台風などの自然災害に備える「国土強靱化(きょうじんか)」の政策の一環として、「沖縄の離島地域」などでの「電線地中化を加速」させるとも述べた。2026年までの事業完了を目指す首里城の正殿復元事業で、国や県が進める復元過程や職人の技術を一般公開する「見せる復興」の取り組みに言及。変化の流れに対応した事例として取り上げた。(安里洋輔)