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県内離島の無電柱化へ一括交付金を活用 政府、補正予算に盛り込む方針


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この記事を書いた人 Avatar photo 安里 洋輔

 【東京】政府が、今国会に提出する2023年度補正予算で、県内離島を中心とする無電柱化のための整備費用を盛り込む方針で調整していることが24日、政府関係者への取材でわかった。同日までに取りまとめた新たな経済対策の原案に、内閣府が計上する沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)を整備費用に充てる方針が明記された。

 政府は、原案を同日午前、自民党本部で開かれた政調全体会議に示した。与党内での調整を踏まえ、11月2日の閣議決定を目指す。

 政府の原案では、災害リスクの高まりに備えた「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化」の取り組みの一環として進める施策の中に「沖縄の離島を中心とする無電柱化の加速化」を盛り込んだ。内閣府が沖縄関係予算として計上する一括交付金のハード交付金を活用するとも明記した。具体的な金額は盛り込んでいない。

 政府関係者によると、8月の台風6号による被害が深刻だった点を考慮した。台風6号の影響で、県内34市町村の約21万5600戸が停電し、一部地域での停電時間は177時間(約1週間)に及んだ。一方で、21年度時点で、全道路のうち無電柱化が進んだ区間は1.9%にとどまる。今後も台風被害が深刻化することが予想されるため、復旧に時間を要する離島地域から先行して無電柱化を進める。

 国が定めた「無電柱化推進計画」では、各地方自治体が策定した計画に基づいて整備費用の一部を政府が補助する仕組みとなっている。ただ、県内では整備に必要な計画を策定しているのは42自治体のうち、那覇市、浦添市、宜野湾市など10団体にとどまる。

 今後は国からの専門職員の派遣も検討しながら、各自治体での計画の早期策定を促す構えだとしている。

(安里洋輔)