沖縄県の竹富町が検討を進めている訪問税(仮称)の徴収額について、有人島への入域客1人当たり2千円とする見通しであることが9日、分かった。使い道を定めず徴収する法定外普通税とする。訪問税に関する審議委員会(委員長・青木宗明神奈川大学教授)の2回目会合が同日、町役場で開かれ、徴収額2千円で意見が一致した。町によると観光に関連した法定外普通税の導入は県内初で、全国でも2例目となる。
竹富町には西表島や波照間島など九つの有人島がある。町は2024年1月に住民説明会などを実施し、早ければ24年度中にも導入したい考えだ。
県内では使途を特定した法定外目的税として伊是名と伊平屋、渡嘉敷、座間味の4村が環境協力税などの名目で導入し、それぞれ入域者1人当たり100円を徴収している。全国では宿泊税として、長崎市などが最大500円、京都市が最大千円を課税し、竹富町の2千円は入域者らへの税として最高額となる可能性がある。
竹富町は来年1月にパブリックコメントを実施。審議委はその後に3回目の会合を開き、最終報告案をまとめ、前泊正人町長に答申する。町は町議会3月定例会に条例案を提出し、可決されれば総務相の同意を得て導入となる流れ。徴収方法は有人島への船舶や航空機の運賃に上乗せする予定だ。
会合は非公開で、終了後に町担当者が琉球新報の取材に応じた。
(照屋大哲、梅田正覚)