辺野古の抗告訴訟、沖縄県の訴え却下 那覇地裁 設計変更不承認の効力回復を求めた裁判


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辺野古の抗告訴訟、沖縄県の訴え却下 那覇地裁 設計変更不承認の効力回復を求めた裁判 沖縄県名護市辺野古沿岸部。手前は軟弱地盤が存在する海域
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 米軍普天間飛行場移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤改良工事に向けた沖縄防衛局の設計変更申請を巡り、沖縄県の不承認処分を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、県が処分の効力回復を求めた抗告訴訟の判決で、那覇地裁(藤井秀樹裁判長)は15日、県の訴えを却下した。


 県に訴訟を起こす適格性があるかどうかが大きな争点の一つだった。


 県は2021年11月、軟弱地盤の調査が不十分であることなどから設計変更申請を不承認とした。県側は抗告訴訟で、不承認の判断に裁量の逸脱や乱用はないと主張していた。国側は、県の埋め立て承認撤回を巡る抗告訴訟の最高裁判決(22年12月)を下に、県に訴訟を提起する資格がなく、不適法なものとして却下されるべきと訴えていた。


 変更申請の承認を巡り国交相の裁決と是正の指示に関する訴訟は9月までに県敗訴が確定した。国交相が提起した代執行訴訟は福岡高裁那覇支部で10月30日に結審し、近日中に判決期日が指定される見通し。