【全文】代執行訴訟、最高裁に上告 工事中止し、対話に応じて 玉城知事コメント全文


【全文】代執行訴訟、最高裁に上告 工事中止し、対話に応じて 玉城知事コメント全文 玉城デニー知事(資料写真)
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 沖縄防衛局の埋立変更承認申請を知事は承認せよとの判決を求め、国が提起した代執行訴訟について、沖縄県は、本日、最高裁判所に上告いたしました。

 去る10月5日、国が代執行訴訟を提起したため、その請求の趣旨に承服できず沖縄県は応訴いたしましたが、福岡高等裁判所那覇支部は12月20日、代執行要件を満たさないと訴えた県の主張を退け、国の請求を認める判決を言い渡しました。

 同判決は、9月4日の最高裁判決で公有水面埋立法違反が確定したと、具体的審理もせずに断定し、代執行以外に取り得る方法についても、国と沖縄県との対話を通じた抜本的解決を付言しながら、要件の判断に何ら反映しておりません。

 また、公益侵害の要件については、辺野古新基地建設を進めようとする国側の公益に偏って容認しており、地方分権改革の趣旨や地方自治の本旨、多くの沖縄県民の民意という真の公益を顧みなかったことは、司法自ら「辺野古が唯一」との固定観念に陥ったものといわざるを得ません。まさに、国側のこの固定観念こそが、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去という根本的な問題の解決を遅らせているのです。

 沖縄県としましては、最高裁判所に対して、原判決の問題点を明らかにし、多くの県民の願いを訴えることで、同判決の破棄を求めてまいりますので、引き続き県民、国民の皆さまの御支援、御協力をいただきますよう、お願い申し上げます。

 なお、本日、国土交通大臣から、沖縄県知事に代わって、明日、埋立変更承認申請を承認するとの通知を受けたところです。

 代執行は、沖縄県の自主性および自立性を侵害し、多くの沖縄県民の民意に反するものであり、本県のみならず全ての都道府県に起こりうる、地方自治を否定する先例となりかねないことからも、決してあってはなりません。政府においては代執行を行わず、工事を中止し、問題解決に向けた沖縄県との真摯な対話に応じていただきたいと考えております。

沖縄県知事 玉城デニー