米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡っては、合計14件の裁判が争われてきた。今回、サンゴ移植訴訟で県の敗訴が確定したことで、県と国の間で係争中の訴訟は、軟弱地盤の改良に伴う設計変更申請を巡り、県の不承認処分を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、県が処分の効力回復を求めた抗告訴訟の1件となった。
抗告訴訟は現在、福岡高裁那覇支部で係争中。一審の那覇地裁判決は、県に原告適格がないとして県の訴えを却下していた。
設計変更申請を新基地阻止の「切り札」としてきた県は、法廷闘争で打てる手を失いつつある。
(知念征尚)