玉城知事が環境省に要請 水道料金値上げで PFAS対策への支援など訴え


玉城知事が環境省に要請 水道料金値上げで PFAS対策への支援など訴え 伊藤信太郎環境相(左端)にPFAS対策を求める玉城デニー知事(左から2人目)=24日、環境省
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 【東京】沖縄県の玉城デニー知事は24日、環境省を訪れ、伊藤信太郎環境相に、県企業局などが実施している本島中部の水源での有機フッ素化合物(PFAS)対策への費用補償などを求めた。ダム貯水率の低下など、PFAS対策での取水制限の影響が顕著になっていることもあり、要請に踏み切った。環境省によると、PFAS関連で、伊藤環境相が要請に応じるのは初。
 県企業局は10月から市町村への水道供給単価の段階的引き上げを検討しているが、米軍基地由来とみられるPFASの汚染対策費を国が負担した場合、2026年度から想定する1立方メートル当たり33円46銭の値上げを同3.8円程度引き下げられるとの試算を示した。
 玉城知事は、本島中部の米軍基地周辺の河川などで暫定指針値を超えるPFASの検出が相次いでいることに「米軍基地の影響である蓋然性が高い」と説明。北谷浄水場で実施しているPFASの軽減措置が「多額の費用を要している」とした。「30年ぶりに水道料金を値上げせざるを得ない状況になっている」とも訴え、県などが実施しているPFAS対策の補償など7項目を求める要請書を提出した。
 伊藤氏は「環境省としても重大な問題と受け止めている」とし、「関係省庁と意思疎通、連携を図りながら沖縄の皆さまの懸念がなくなるよう努力する」と述べた。