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新基地建設後にキャンプ・シュワブ「返還要求」の可能性も デニー知事、県議会決議を基に


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 玉城デニー知事は29日、米軍普天間飛行場移設に伴う新基地建設工事が進む名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブについて、県として返還を要請することもありうるとの見解を示した。

 過去に県議会で決議された「在沖海兵隊の撤退」を引き合いに出し「基地が造られたとしても(海兵隊基地の)キャンプ・シュワブは撤退要請の一部になるので、返還を要求することも考えられる」と述べた。

 27日、沖縄国際大学の講義に呼ばれ、新基地が完成した場合、シュワブの部隊を県外・国外へ移転を求める考えを示していたことについて報道陣に問われ、見解を述べた。

 県議会は2016年に米軍属女性遺棄事件を受けて「在沖米海兵隊の撤退」を求める抗議決議を史上初めて全会一致で可決した。県は22年の沖縄の日本復帰50年に向けた米軍基地に関する政府要請で「在沖海兵隊の段階的な整理・縮小など、当面は在日米軍専用施設面積の50%以下を目指す」と要望していた。

 今年から始まる予定の沖縄からグアムへの海兵隊部隊の移転計画についても触れ「(隊員)9千人は間違いなく沖縄から撤退する。返還される場所や部隊はまだ分からない。早く詳細を明かしてほしい」と語った。(梅田正覚)