有料

「2050年県人口160万人台」の推計を見直し 沖縄県、人口減少を見据え新施策 社会維持へDX推進


「2050年県人口160万人台」の推計を見直し 沖縄県、人口減少を見据え新施策 社会維持へDX推進
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 県は30日、県振興推進委員会を開き、県の人口施策を示す「沖縄21世紀ビジョンゆがふしまづくり計画~県デジタル田園都市構想総合戦略」案の改定を承認した。2014年度に策定した前身の「県人口増加計画」で示していた50年に人口160万人台、2100年には200万人台とした人口推計を改定した。

 新計画では1人の女性が生涯に産む子どもの数「合計特殊出生率」の21年の数値1・80を基に複数の将来展望値を推計。いずれのケースも22年の県人口146・9万人から減少する見通しを示した。

 人口減少社会でも生活の質を落とさないようにデジタル化を進める。20の施策展開や81の成果指標(KPI)を盛り込んだ。「観光DX」や「スマート農林水産業」「教育DX」「テレワーク・ワーケーションの推進」などの施策展開を加えた。

 旧計画の基本施策に位置づけられていた「自然増」と「社会増」拡大の項目はなくなり、代わりに「魅力的な地域をつくる取り組み」などが設けられた。

 県は19年度に人口増加を目指す旧計画を見直し、人口減少社会の到来を見据えて持続可能な社会づくりを目指す「ゆがふしまづくり計画」に変更。ただ「基本政策」などは現在まで旧計画のままだった。政府と県がそれぞれ22年度に公表した「デジタル田園都市国家構想総合戦略」と「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」に基づきそれぞれの施策を反映して今回改定に至った。

 新たな人口展望値では合計特殊出生率が1・88に上昇するとした上で複数のケースを示した。最も楽観的なケースでも、40年までに同2・07まで上昇するものの60年には144・1万人になるとした。一方、最も悲観的なケースも参考で示した。22年実績の同1・70で推移した場合、60年には135・9万人になる。

 県企画調整課の担当者は「人口の右肩上がりは現実にそぐわない。人口減少に歯止めをかけつつ、持続可能な社会づくりを進めたい」と話した。

(梅田正覚)