基地の「負担軽減」? 嘉手納所属のF15が一時グアムへ 防衛省、例年の参加演習を「訓練移転」 日本側が移動費の75%負担


基地の「負担軽減」? 嘉手納所属のF15が一時グアムへ 防衛省、例年の参加演習を「訓練移転」 日本側が移動費の75%負担 嘉手納基地のF15戦闘機(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【東京】防衛省は31日までに、嘉手納基地所属のF15戦闘機などについて、2月5~23日に「グアムなどへの訓練移転」を実施すると発表した。基地所在地の負担軽減を名目に日本政府が経費の75%を負担する取り組みだが、同じ期間にグアムでは多国間共同演習があり、嘉手納基地からも参加予定だという。例年参加している演習に参加するための移動であれば、沖縄の基地負担を軽減するための特別な取り組みとは言えず、日本側の経費支出は疑問視される。

 グアムで予定の訓練は「コープ・ノース24(CN24)」と呼ばれる日米豪共同演習で、2月5~23日に計画されている。防衛省発表の「訓練移転」と同期間。嘉手納基地の第18航空団は本紙の取材に「(航空団は)CN24に参加する」と答えた。「訓練移転」として日本政府が経費を負担する機体が参加するかは不明だという。

 防衛省は取材に「単独訓練を予定しており、CN24への参加は聞いていない。ただ移転先で移転対象の訓練以外をしてはいけないということはない」と演習への参加は否定しなかった。

 防衛省が今回の訓練移転に参加する予定と説明したのは、F15Cが12機ほど、KC135空中給油機が3機ほど、輸送機C130が3機ほど、輸送機C12が1機ほど、E3早期警戒機が2機ほど。参加部隊は嘉手納基地の第18航空団。人員は約520人に上る予定。

 防衛省によると、米軍の「訓練移転」は、燃料代や人員・物資の輸送費など、日本側が75%、米側が25%を負担する。国外移転と日本国内での分散があり、両方を合わせて年度ごとにまとめて精算している。

 2021年度は日本側が訓練10回分の移転経費として約59億9千万円を負担した。

(明真南斗)