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オスプレイ「ギアボックス」で相次ぐ不具合、飛行停止も 共通の要素、焦点に


オスプレイ「ギアボックス」で相次ぐ不具合、飛行停止も 共通の要素、焦点に 緊急着陸したМV22オスプレイのエンジンナセルのカバーを開け、点検整備する米兵ら=2017年、新石垣空港
この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

2023年11月に鹿児島県・屋久島沖で発生した米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの事故を巡り、米国防総省が故障を特定したとしている機器が「ギアボックス」である可能性が取りざたされている。故障の詳細は明らかになっていないが、ギアボックスに関連する不具合や事故はこれまでも確認されており、共通する要素や原因があるのかどうかが今後の焦点となる。

22年8月、オスプレイのクラッチに関係する不具合「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」が問題となり米空軍は全てのオスプレイの飛行を一時停止した。クラッチもギアボックス内にある。22年6月には海兵隊のMV22もHCEによって米カリフォルニア州で墜落事故を起こした。

陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイ1機が23年8月に静岡県焼津市の航空自衛隊静浜基地に緊急着陸した際も、ギアボックス内部に金属片ができたのが原因だった。

エンジンを収容している両翼端の円筒部分に当たる「ナセル」の内部にギアボックスが存在している。米軍はオスプレイ整備の約6割がナセルに関連していることを課題とみて改良プログラムを進めている。

県内配備前の05年にもMV22は一時期、ギアボックスの不具合のため全面飛行禁止となった。

防衛省は21日、本紙の取材に「米軍とさまざまなやりとりをしているが、内容は答えられない」と述べ、詳細な説明を受けているかどうかも明かさなかった。 

(明真南斗)