九州・沖縄で陸上自衛隊と米海兵隊による離島奪還訓練が25日、始まった。訓練は通称「アイアン・フィスト(鉄の拳)」で、2006年から米本土で行われてきて、昨年初めて日本国内に移った。現場での部隊訓練が主だった前回とは異なり、今年は日米の司令部による作戦策定や各部隊への指揮を盛り込み、よりハイレベルな部門間での連携強化を目指す。
台湾有事を念頭に日米が大規模に展開することで、中国をけん制する狙いがある。
3月17日までの期間中、鹿児島県の沖永良部島や金武町の米軍金武ブルー・ビーチ訓練場で隊員が海から上陸する訓練を行うほか、沖縄本島西側の無人島にある出砂島射爆撃場では米軍のF35Bステルス戦闘機による射撃も予定する。熊本県の高遊原分屯地をヘリコプターの整備拠点とする。
陸自からは、占拠された島に上陸して奪回するための水陸両用戦を専門とし、日本版の海兵隊とも呼ばれる「水陸機動団」約600人が参加。米海兵隊は沖縄駐留の即応部隊が主体だ。隊員や装備を輸送する海自や米海軍の艦艇も加わる。