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オスプレイの飛行再開時期、防衛局示さず 沖縄県と宜野湾市「再度説明を」


オスプレイの飛行再開時期、防衛局示さず 沖縄県と宜野湾市「再度説明を」 オスプレイ飛行再開に向けての説明で、県庁を訪れた沖縄防衛局担当者(中央)ら=11日午後、県庁(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 鹿児島県・屋久島沖で墜落した米軍オスプレイの飛行停止解除を巡り、沖縄防衛局は11日、県と宜野湾市に事故や国内の飛行再開に向けた対応を説明した。原因や飛行の再開時期について詳細な説明はなかった。

 市役所で伊藤晋哉沖縄防衛局長から説明を受けた松川正則宜野湾市長は面談後、記者団に対し「丁寧な説明になっていない」と批判し、飛行再開前に再度の説明を求めたことを明かした。伊藤局長は「不安や懸念は当然理解する」と述べ、改めて説明する考えを示したという。

 県庁で説明を受けた長嶺元裕基地対策課長も、具体的な事故原因などについて説明がなく「なかなか納得できる内容ではなかった」と指摘した。飛行再開の時期や、飛行再開の定義のほか、現在も米軍嘉手納基地への駐機が続く海軍仕様のCMV22への対応など質問したとして、回答を待つ考えを示した。説明は非公開で行われた。

 飛行再開について、防衛局が県に対しこの日提示した資料では、海兵隊と空軍は3段階に分けて練度を回復していく方向性が示された。空軍については「乗組員と整備士を対象とした数カ月のプログラム」を行うといった記述があった。

 一方、事故原因を巡っては、県側が過去に似た原因で事故が起きた例があったかを問うたのに対し、防衛局の担当者は「今回の事故と同じ原因となる(最も重大な)クラスAの事故は発生したことはない」と説明した。県は、他のクラスでの事故は不明だとした。防衛局はまた「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)を構成する沖縄市、嘉手納町、北谷町にも事前に配布した説明資料についての質問を受け付けると連絡した。  

(知念征尚、名嘉一心、福田修平)