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パワハラ「議会が許容してきた」 那覇市議会、前議長汚職受け報告書 議員不祥事の再発防止へ5項目掲げる


パワハラ「議会が許容してきた」 那覇市議会、前議長汚職受け報告書 議員不祥事の再発防止へ5項目掲げる 「議員逮捕の不祥事に関する検証・再発防止会議」の報告書をまとめた那覇市議会=15日、本会議場
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 那覇市議会は15日、那覇市議会前議長汚職事件の検証と再発防止策について話し合う「議員逮捕の不祥事に関する検証・再発防止会議」の報告書を公表した。議員不祥事を防ぐための具体的な再発防止策として、議員研修の実施やハラスメントに関する相談体制の整備、会議規則の改正、執行部側が議会で「反問権」を行使するための運用要項の作成検討などを挙げた。

 那覇市有地を巡り、議長室で現金5千万円を受け取ったとして収賄罪で起訴されている前市議会議長の久高友弘被告は、現職時代に百条委員会設置を各議員に働き掛けたほか、議場などでは市職員を威嚇、侮辱する発言が確認されている。

 報告書では、今回の不祥事の背景として、久高被告のパワーハラスメントを議会が許容してきたことや、高圧的で感情的な発言を制止することができなかったことなどがあると指摘。久高被告の説明責任が果たされなかったことについては「反省しなければならない」とした。

 再発防止として、(1)議員の倫理意識の向上(2)議長の委員会出席・発言のルール化(3)議会基本条例、政治倫理条例の見直し(4)ハラスメント等に関する対応など5点を掲げた。さらに、今回の報告書に絡めて、議長の委員会出席や発言の一部を制限する「申し合わせ」を作成した。

 再発防止会議の座長を務めた上里直司氏は本会議場で、「このような不祥事を二度と起こさせないよう市民の皆さまにお誓いし、各種の再発防止策を着実かつ迅速に実施することを通じて失墜した議会の信頼回復に向けて全力を尽くす決意だ」と語った。

 報告書は今後、議会ホームページで公表する予定。

(吉田健一)