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米軍キャンプ・シュワブ内の発掘調査が終了 土器出土の遺跡など2カ所 一部で工事着手も 沖縄


米軍キャンプ・シュワブ内の発掘調査が終了 土器出土の遺跡など2カ所 一部で工事着手も 沖縄 埋め立てが進む米軍キャンプ・シュワブがある辺野古崎(資料写真)
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【名護】沖縄防衛局が、県教育委員会と名護市教育委員会に委託していた米軍キャンプ・シュワブ内の遺跡発掘調査が終了していたことが、18日までに分かった。委託期間は今年3月末までだが、両教委とも2月までに発掘調査を終えている。調査は文化財保護法に基づくもので、期間中は調査範囲内の工事に着手できなかったが、調査を終えた一部では既に工事が始まっている。

県教委は、新基地建設に伴う美謝川付け替え工事対象区域を含んだ「ヤニバマ遺物散布地」、市教委は米軍の宿舎や厚生施設の建設が予定されている「大浦先収容所跡(今帰仁村民収容地区)」を調査しており、陸域の建設工事に影響が出ていた。一方、沿岸部の埋め立て区域は調査範囲に入っていない。

防衛局は18日、本紙の取材に対し、大浦崎収容所跡の宿舎・厚生施設の工事は「すでに着手済み」と回答し、ヤニバマ遺物散布地の工事着手時期については「関連工事の進み具合などを踏まえる必要があり、回答は困難」と説明した。

県教委は2023年8月~今年1月19日、市教委は22年11月ごろ~今年2月28日に調査を実施した。いずれの遺跡からも、土器の破片や石器が複数確認されたほか、遺構なども出土した。時代の特定などは24年度以降の資料整理で行う。

また、市教委は24年度にも、シュワブ内にある「思原(うむいばる)遺跡」の発掘調査を予定している。思原遺跡は1979~81年度の遺跡分布調査で発見された遺跡で、米軍のバスケットボールコートなどの建設が予定。調査の具体的な時期について担当者は「防衛局などと調整している段階だ」と話した。
(金城大樹、高橋夏帆)