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沖縄戦の始まりは? 3月26日、阿嘉島などに米軍上陸<ニュースはじめの一歩>


沖縄戦の始まりは? 3月26日、阿嘉島などに米軍上陸<ニュースはじめの一歩> 渡嘉敷島に侵攻する米軍=1945年、3月27日、渡嘉敷村(県公文書館提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

Q 沖縄戦は1945年4月1日に始まったのですか?

 A いいえ、米軍は1945年3月26日、阿嘉島をはじめ慶留間島、座間味島などに上陸し、翌27日には渡嘉敷島に上陸しました。

 沖縄戦の始まりは3月26日とされています。23日から激しい空襲が始まり、24日からは本島南部地域に艦砲射撃約700発も加わりました。米軍の上陸が近いことを知った各島々の住民は、空襲による山火事や機銃掃射の中、壕への避難を開始したのです。

 慶良間の島々には特攻艇部隊が配備されており、米軍の上陸で逃げ場を失った住民は、日本軍の強制や誘導によって「集団自決」(強制集団死)に追いやられました。

 沖縄戦を指揮した第32軍は首里城地下に壕を築き、持久戦を構えていました。45年4月1日、米軍は読谷の渡具知海岸に上陸します。その日のうちに6万人の兵を上陸させ、北・中飛行場も占領しました。米軍は、中部で待ち構える日本軍と激戦になりました。戦力を失った日本軍は、5月21日、南部への撤退を決めました。

 日本軍の目的は本土決戦を遅らせるための時間稼ぎでした。南部には住民約10万人が避難していましたが、住民の安全対策の明確な指示はありませんでした。南部の戦闘で住民の犠牲は拡大し、6月22日(23日説もある)に第32軍の牛島満司令官が自決し組織的な戦闘は終わりましたが、最後の一兵まで戦うように命じていたため、民間人の犠牲が相次ぎました。正式に沖縄戦が終結したのは9月7日でした。