6月16日投開票の県議選と同日に市長選が実施されることが決まっている糸満市で、市議会議員が市長選に立候補するために辞職したことから市議の補欠選挙も実施されることとなった。三つの選挙が同日となる見通しだ。ただ、他の市議も選挙への立候補を表明しており、辞職の期日によっては補選が前倒しで執行される可能性も残る。市議の辞職のタイミングと法の規定との関わりなどをまとめた。
糸満市議会では、市長選への立候補を表明している市議1人が3月末に辞職した。公職選挙法は市長選や知事選が予定されている場合、その告示日の10日前までに議会で欠員が1人でも生じると市議補選を同日に実施することとしている。この規定によって、三つの選挙が同日執行となる見込みとなっている。
ただ、今回の同市議会の場合、欠員数と補選に関する公選法の別の定めの影響を受ける。議会の欠員が定数の6分の1を超えると50日以内に補選を実施するとの規定だ。
定数21の同市議会では、欠員6分の1は4人が欠けた状態を指す。
既に辞職した議員を含む2人が市長選に、他の2人が県議選への立候補を表明しており、欠員が4となる見込みだ。欠員が補選要件の4となると、50日以内に実施しなければならない。つまり、他の市議らが早めに辞職した場合は、市長選・県議選よりも前に補選を行うことになる。
ポイントとなる期日は市長選・県議選の50日前に当たる4月27日だ。同日より前に欠員4に達すると、市長選・県議選の前に市議補選が実施される。
2000年以降では、04年、16年、20年が市長選・県議選・市議補選の同日執行だった。
市議補選を単独で実施すると選挙費用は約1千万円近く増え、人員確保などの負担も増えることが見込まれる。
市選挙管理委員会は「辞職の時期は議員が自由に判断するもの。事実に即し、法令にのっとって選挙を遂行する」としている。
(岩切美穂)