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玉城デニー県政、岸田政権への評価は?辺野古新基地は? 沖縄県議選へ政党・会派が座談会 3/3


玉城デニー県政、岸田政権への評価は?辺野古新基地は? 沖縄県議選へ政党・会派が座談会 3/3 名護市辺野古
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<県政評価>

給食無償めど立たず 金城勉氏
地域外交を積極推進 平良昭一氏

平良 昭一氏

 ―玉城県政への評価は。

 島袋 物価高騰で県民生活が苦しい中、水道料金を30%アップさせた。知事のボーナスも上がった。県の中途退職者数が定年退職者数を超える異常事態だ。県政崩壊の始まりで、評価は0点だ。

 鶴渕 自治体外交を発展させ、話し合いでの解決に取り組んでいる。子どもの医療費無料化も実現した。政府の沖縄振興予算減額という県民いじめに対して、矢面に立ち戦っている。

 仲村 貧困を連鎖させない取り組みを着実に進め、子どもの貧困対策の基金を60億円に倍増させた。何より県民との最大の約束である辺野古新基地建設反対の姿勢を貫いている。

 宮城 辺野古新基地建設を阻止する姿勢を堅持し、法廷闘争も臆さない。コロナ以来休止していた北京路線を再開させるなど平和外交、経済外交をトップセールスで力強く推進している。

 金城 評価できない。重要な選挙公約である給食費無償化もめどが立っていない。各地の公共工事も滞っている。政府との関係もほとんど崩壊している。2年後の県政交代を目指す。

 平良識 対話により地域の平和構築を目指す姿勢を高く評価する。子どもの貧困対策では基金を拡充した。就学援助や給付型奨学金制度、中学卒業までの医療費の無料化などを実現した。

 山川 子どもの貧困対策で基金を拡充したことは評価できるが、辺野古問題の公約は守られていない。県民に説明する必要がある。県民所得、貧困率の根本的解決の政策も見当たらない。

 平良昭 地域外交推進に積極的に取り組んでいる。離島への行政視察もこの6年間で9カ所に及ぶ。コロナ対策では全国に先駆けて飲食業に対する支援体制を構築し、全国に波及した。


<岸田政権の評価>

不信が高まりおわび 島袋大氏
裏金に全国から怒り 鶴渕賢次氏

島袋 大氏

 ―岸田政権への評価は。

 平良昭 一言で、評価できない。政治資金の事件の対応に国民の不満が残る状況で、政治の信用性を揺るがしたことは、大きな責任がある。内閣総辞職か解散総選挙で信を問う時期に来ている。

 島袋 自民党政策集団の政治資金問題で県民、国民に不信が高まっていることには党所属議員としておわびと反省を申し上げなければならない。政権政党を担う国会議員には襟を正してほしい。

 鶴渕 岸田内閣の問題は自民党全体の問題だ。腐敗政治、経済無策、戦争国家づくり、人権後進国、どれも解決できない。特に裏金事件は党全体を揺さぶる。怒りが全国各地で渦巻いている。

 仲村 国民は増税、自民は脱税という言葉が本当にその通りで、この怒りは当然だ。沖縄県民の民意にも一度たりとも向き合わない。県議選勝利を政権交代につなげていく取り組みにしたい。

 宮城 物価高騰の厳しい経済環境と国民生活の中で、どういう対策があったか思い出すのも難しい。裏金作りの問題も真相は全く究明されていない。党内抗争に明け暮れているとしか映らない。

 金城 少子化対策、経済政策、物価高騰、エネルギー、働き方改革など政策の方向性は間違っていない。裏金問題で政策の影が薄くなり残念だ。立て直し、本来の役割を果たしてほしい。

 平良識 物価高に歯止めがかからず、実質賃金は下がり暮らしは悪くなる一方だ。辺野古代執行では知事権限を一方的に奪った。政治と金の問題の対応も場当たり的で政治不信は大きい。

 山川 裏金問題や少子化対策などやることなすこと国民から理解が得られない中途半端な政権だ。4月からの値上げでますます生活は苦しくなる。厳しい人を支えるには今は減税しかない。


<辺野古問題>

国連を介し声上げる 宮城一郎氏
見直しも含め検討を 山川泰博氏

宮城 一郎氏

 ―名護市辺野古の新基地建設の是非と解決策をどう考えるか。

 宮城 普天間の一日も早い閉鎖返還は辺野古に左右されずになされなければならない。返還時期を示さない詭弁(きべん)と代執行という行政暴力を国外、とりわけ国連を介して声を上げていく。

 金城 過重な基地負担を考えれば普天間の県外国外への移転が望ましい。ただ最高裁で県敗訴が確定した以上、移設工事は国の裁量に委ね、普天間の危険除去を最優先に取り組むべきだ。

 平良識 一貫して反対だ。他県では地元が反対すれば見直すが沖縄では国が上から押し付ける。植民地主義的政策だ。地方自治がゆがめられている重要な問題だと国内外に発信し続ける。

 山川 シュワブ辺野古側はヘリパッドとして活用する。大浦湾側に関しては軟弱地盤もある。県民投票や知事選、世論の分裂を考慮し、工事の見直しも含めて検討する必要がある。

 平良昭 県民投票で7割を超える反対があったにも関わらず埋め立てを強行していることは地方自治の根幹を揺るがす事態だ。今一度、国が対話のテーブルにつくことが解決の糸口となる。

 島袋 普天間の危険性除去という辺野古移設の原点に立ち返って、埋め立て工事を進展させる必要がある。普天間跡地利用をどう進めるかなどの課題解決に着手しなければならない。

 鶴渕 辺野古新基地はつくれない。軟弱地盤で無理だというのが専門家の一致した意見だ。普天間の危険性が放置される。移設を直ちに中止することが普天間の危険性の除去につながる。

 仲村 工期を最低12年としながら普天間の返還期日を示すこともできない。その工事を普天間を使用し続ける根拠にするとは欺瞞(ぎまん)だ。普天間を閉鎖、辺野古は中止し沖縄以外を選択すべきだ。