沖縄地方にまとまった雨が降ったことで、沖縄本島内11ダムの貯水率は1月12日以来約3カ月ぶりに60%台に回復した。3月末には42・4%と過去10年で最低を記録していたが、4月に入り「恵みの雨」(県関係者)が降ったことで大きく回復した。
ただ、国や県などでつくる沖縄渇水対策連絡協議会(渇水協)は、梅雨時に雨の少ない「空梅雨」となれば、渇水となる恐れはまだ残っていることから、節水の呼び掛けを継続する。
16日に非公開で行われた渇水協の幹事会では、貯水率が一定程度回復したことを受けて今後の対応などを議論した。60%台になったものの、依然として平年値より10ポイント以上低いことや、空梅雨となり雨が降らなければ6月中に貯水率40%を下回る計算となることなどから、渇水に備える体制の解除は梅雨の状況を見てから判断することとした。
渇水協のタイムラインでは、目安として貯水率が6月の時点で40%を下回った時に「水不足の到来に対する準備段階」に入り、さらに35%を下回ると「水不足の段階」として夜間8時間断水に入るとしている。
また、例年梅雨時の6月に貯水率回復を想定するため、7~11月は水不足の目安が引き上げられ、45%以下で夜間断水に入る。
雨が降らない日が続くと、貯水率は3日で約1%低下することから、今後の天候次第では7月に水不足となる可能性が否定できないため、当面は節水を呼び掛けを続けていく。
県企業局では、貯水率が60%を下回った今年1月13日以降、北谷浄水場の海水淡水化装置をフル稼働している。フル稼働することでコストがかさむが、通常運転に戻すことで渇水が懸念される局面が終わったというメッセージを県民に与えてしまいかねないことなどから、終了のタイミングなどは慎重に検討するとしている。
(沖田有吾)